グラフニューラルネットワークと生成モデルを用いた非晶質系動力学予測システム開発
芝隼人(兵庫県立大学大学院情報科学研究科)

Glass dynamics Graph neural networks Molecular dynamics simulations

概要

  • ガラスとは乱雑な構造を保ったまま固まりかけた状態の物質の総称​であり、特徴のないガラスの粒子配置において、どの粒子が動きやすいか(ダイナミクス)の予測が困難​
  • 本研究では、グラフニューラルネットワークによるガラスの深層学習の予測性能を最高水準まで引き上げ​
  •  大量のシミュレーション結果のデータセット提供によって、予測モデル間の国際ベンチマークを確立​

主要な成果

  • ガラスを構成する粒子の運動性(運動距離の期待値)を予測するグラフニューラルネットワークモデルBOTANを提案し、コード公開した。具体的には、グラフニューラルネットワークのメッセージ伝搬機構を活かした形で、相補的な複数の動力学量を学習することが可能とする改良を行うことで、その予測能力を飛躍的に高めた。​
  • 大量のデータセットを要求するグラフニューラルネットワーク学習のために、ガラスモデルの分子動力学シミュレーショントラジェクトリをデータセット化し、公開に供した。​
  • 同時期に相次いで出現した提案された様々な機械学習モデルの提案者らと国際共同研究を実施、前項のデータセットを用いて予測結果の精度と物理的特質の比較を行った。その内容および将来展望を記したレビューが2025年1月Nature Reviews PhysicsにTechnical Reviewとして掲載された。また、予測結果のデータを新たにとりまとめた小規模な評価用データセットを ”GlassBench” として公開した。​