CPUとGPUを同時利用する自己学習モンテカルロ法の開発
永井佑紀(東京大学情報基盤センター)

Self-learning Monte Carlo (SLMC)

概要

本研究は、東京大学のスーパーコンピュータ Wisteria/BDEC-01 を用い、CPU と GPU を同時に活用する自己学習モンテカルロ法 (SLMC) の開発を目指したものである。分子動力学法である PIMD に対し、CPU と GPU の並列実行を可能にするコードの改良を行い、高速かつ効率的な機械学習ポテンシャルを作成を実現した。さらに、生成AI基盤技術Transformerを導入することで、有効模型の精度を高め、物質内の長距離相関を正確に捉えることに成功した。我々が開発したSLMCや関連する新規モデルや新規アルゴリズムを用いることによって、実際の物質系(準結晶)の長年未解明だった物性を明らかにするなど、様々な波及効果が生じている。​

主要な成果

  • スパコン上で効率よく動作する自己学習モンテカルロ法実装と新規モデルおよび新規アルゴリズムを考案した。​
  • 効率的な学習によって高効率な機械学習モデルを作成。準結晶分野で20年来未解明だった高温比熱の謎をシミュレーションと実験の共同で明らかにした(YN et al., Physical Review Letters 132, 196301 (2024))​
  • 生成AI基盤技術であるTransformerを用いた機械学習モデルを作成(Journal of the Physical Society of Japan 93, 114007 (2024))​

[1]プレスリリース「 6次元の揺らぎがもたらす準結晶の奇妙な物性​」を発出。
[2] 論文誌のEditors’ Choiceを受賞​